もう一度行くために

 

原稿が一通り形になった。

完成したわけではないのだが、出来栄え的にもう十分かなと。

十分というのはつまり素晴らしい作品に仕上がったということではない。

もう本当に目を覆いたくなるシロモノになった。

なのでもうこれ以上この作品に手を入れるのは時間の無駄と判断したということだ。

 

本当にひどい。

かの浦沢直樹氏は「結局えんぴつ絵はどこまで行っても練習でしかないんですよ」という趣旨の事を漫勉で言っていた。*1

全くもってその通りなのだなと実感した。

シャーペンとペンではあまりにも違いすぎる。

 

下絵とはいわば暫定の線。

いくつもの可能性を否定せず残している。

この角度の線、この角度の線、この角度の線……と、無数の可能性を可能性のままに留めている。

しかし、ペンとは一本の線。

あらゆる可能性の中から一本を選び抜かなくてはならない。

複数の線でごまかす絵と、線一本で納得させる絵は違う。

違いすぎる。

やはりもっと練習が必要だ。

せめて平均的なアマチュアマンガ描きくらいのレベルには達しなくては、自分の表現したいものを表現できない。

 

道のりは遠いな……。

 

危うくこれでこの話を切ろうとするところだった。

いま冒頭を読み返してみたら、原稿の話だったか。

とりあえず新作を描くことにする。

ネームは昨日・一昨日で形になったので、あとは作画するだけだ。

まぁ、その「だけ」が一番大変な事なのだが。

 

今回はアナログではなく、なるべくデジタルな描き方を模索したい。

使用器具はiPadで、正直うまく作画できない。

なので、下絵をノートに描き、スキャンアプリで読み込んでからデジタルで仕上げる。

これが一番良さそうだ。

多分今のマンガ界でもそういうスタイルの方が一般的だろう。

 

とりあえずそれでここから先書くのが面倒になってきたのでおわる。おしり

*1:藤田和日郎ゲスト回。藤田氏はロクに下絵も描かずに作画をはじめるスタイルなのだが、それについて後ろめたく思っている藤田氏に対して浦沢氏がかけた言葉。